Produce 尚覚ができるまで
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洗米・浸漬
お米を洗い、水分を吸収させるために水に浸します。お米は、沖縄県産の粒種米のみを使用しています。
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蒸米
十分に水切りをしたら、蒸米機の中で1時間ほど蒸し上げます。 蒸すことにより、お米に含まれる澱粉が消化されやすい状態になります。
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製麹
蒸されたお米は製麹機に移され、黒麹菌を散布します。クエン酸を豊富に含む黒麹菌は、お米に含まれるデンプンをブドウ糖に変え、雑菌の増殖を抑えます。繁殖に適した温度を保ちながら、2日かけて麹の熟成を待ちます。
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仕込み
水と酵母を加えて、「もろみ」を作って発酵させます。黒麹菌が作ったブドウ糖を、酵母が発酵作用でアルコールに変えます。 仕込みから約2週間で、アルコール度数が18度〜19度になります。
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蒸留
熟成もろみを蒸留機へ移し、単式蒸留機で蒸留します。単式蒸留は蒸留方法の中ではもっとも古く、シンプルな製法です。蒸留することによりアルコールが濃縮され、芳醇な香りを放つ、泡盛ができあがります。通常は加水をして度数を調整しますが、尚覚は一滴も水を加えず、53度のアルコール度数で仕上げています。
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貯蔵・熟成
できたての泡盛原酒は、貯蔵タンクや甕(かめ)で熟成させます。 時間の経過とともに、香り高く、まろやかな独特の味わいへと変化し、1年ほどで製品として出荷されます。
黒麹菌について
古くから日本の酒づくりには、麹菌が使われてきました。麹菌には様々な種類がありますが、泡盛づくりでは伝統として「黒麹菌」を使っています。お米のデンプンをブドウ糖に変える黒麹菌は、泡盛づくりに欠かせません。その独特の香りや風味は、泡盛らしい味わいを出すために、大きな役割を担っています。
黒麹菌のみで酒づくりを行っている地域は世界的に見ても大変珍しく、沖縄だけとも言われています。なぜ、沖縄の泡盛だけが、黒麹菌を使っているのでしょうか?それは、沖縄の気候風土に大きく関係しています。
一般的に酒づくりは、雑菌の少ない時期に行うことが通例。例えば黄麹菌を使う日本酒は、冬に醸造されることがほとんどです。しかし沖縄は、一年を通して高温多湿。さまざまな菌が繁殖しやすく、酒づくりに欠かせないもろみが負けてしまう原因になります。そこで大切なのが、黒麹菌。クエン酸を多く含むため、雑菌の繁殖を抑えることができ、もろみを守ってくれるのです。
世界の中でも珍しい、黒麹菌を使っての酒づくり。沖縄の先人たちは長い歴史の中で、その技術と経験を重ねていったのです。